


PRESIDENT - CEO // 代表取締役 浜田寿人
東京都出身 30歳
海外で暮らした幼少期にもらった“コモドール64”
Q.浜田社長は、海外での生活が長いとお聞きしていますが…。
父が経済学者で、発展途上国の開発経済論が専門だったんですね。その関係で、かなりの割合で海外に行くことが多かったですね。幼少期は、東南アジア、オセアニアを中心に滞在し、高校、大学はアメリカです。コンピューターとの出会いも、小学2年生のクリスマスプレゼントでやはり海外にいる時でした。コモドール社の“Commodore 64”(※1982年に発売されたホームコンピュータ)を買ってもらって、すごく嬉しかったのを覚えています。
小学4年生には一度日本に戻ってきて、中学まで日本にいましたが高校からは1人で渡米しました。父親が「もう勉強は十分しただろ! 高校に入ったんだから、学歴社会に迎合せず、とにかく遊んだら?」という人で、言葉通り本気で遊びました(笑)。あの頃の僕は自分で言うのもなんですが、かなりとんがっていて、とにかく本気で遊んだ。それが今の原動力にもなっているのかも知れません。
4年ほどアメリカのアラバマにいたんですが、本当にド田舎なんで日本人なんて一人もいなかった。そういう場所を敢えて選んだんですが、ある意味、すごく孤独を味わった時代ですね。日本では目立っていた存在でも、アメリカではゼロからのスタートを強いられたわけです。でも僕の人生形成の中で、この期間に自分と見つめ合えたことは、とても大きなポジションを占めていると思っています。人間本来の強さを試されたような時期でした。人なんて根本は弱いもの、それを支えるのが仲間たちだったりするんですよね。普段は当たり前過ぎて、気付かないことなんですが…(笑)。



ソニーという大企業でハリウッドとの仕事を経験
Q.それからカフェグルーヴを設立するまでの経緯は?
帰国してソニーに入って、デジタル映画を配信するハリウッドとの仕事をやっていまして、1年くらいハリウッドと日本を行き来していました。実はその前にすでに「cinemacafe.net」(シネマカフェ)を作っていたので、それが縁でソニーから映画の仕事をやらないか?と誘われて…。ソニーで本格的に映画を学んでみて、やっぱり面白いなと思ったんですよ。ソニーという大企業と、ハリウッドという映画の都で仕事ができたのは、大きな経験値になりましたね。
ただ20歳そこそこの自分では、どうしても大きな企業を動かすのは難しい。その中で自分の力を試してみたいと思って、会社を立ち上げました。最初のスタッフは2人で、必ずしも順風満帆ではありませんでしたよ。再びアメリカへ留学していた頃を思い出すような、挫折の連続だったといってもいい。でもそれまでの経験から、たとえ沈んでいる時でもそこから上がれると信じ続ければ、必ず上がれるんだと。そういう気持ちを常に確認してきたから、ここまで続けて来れたんだと思っています。
Q.人を使う面白さ、難しさなどはありますでしょうか。
僕にとって社員は使う側でもありますが、同時に教えてもらう側でもあります。お互い使ってるし、使われてるという感覚ですね。会社ですから上下関係はあるんですが、例えば僕が社員を下に見てしまったら、この会社はすぐに終わりますし、スタッフが僕を見て「上の人間だから」って扱ったりするのはビジネス上の言い訳に繋がりやすかったりする。お互い人間として、どれだけ切磋琢磨できるかが重要だと思います。よく言っているのが、仕事を選ぶ重要なポイントとして、生活時間の3分の2を会社に投資するわけなんだから、その貴重な時間をその会社に使っていいのか? しっかり考えて欲しいですね。そして仕事人としての成長だけでなく、人間として成長できる、そんなプラットフォームとしての会社を目指していきたいものです。
Q.カフェグルーヴの今後の展望を教えて下さい。
僕の中では今年からカフェグルーヴにとって“第三創業期”と位置づけており、最初の土台を作っていく時代から、混沌の時代があって、それを乗り越えて新しい局面に入っている。組織力を付けていく反面、面白さを失わずに、さらに尖っていくフェーズにきていると思っています。
カフェグルーヴはメディアを創る会社。革新的なメディアをどう作っていくか、他社が作れないメディアをどう作っていくかがより重要になってきます。これからも革新的なモノづくりをしていくためには、組織としての集合の力が必要になった。これまで個人商店の寄せ集めだったのが、ユニットが出来始めている。そのユニットをどう活用するか、会社の資質が問われてくると思います。「カフェグルーヴなら何かやってくれる」。そんな期待感を持ってもらえる会社、それからちょっと不思議がられるくらいの会社の方がいいなとも思っていますね。なんか変わってるんだけど、仕事はしっかりしてるよねと(笑)。

「自分を好きな人に来てほしい」
Q.入社希望の方にメッセージをお願いします。
自分好きな人に来てほしい。どうせ一度きりの人生であれば、自分に対して賭けてみたいという人に。
実は僕もそうなんです。ソニーにいた頃「この先10年くらいの保障はできるよ」と言われたんですが、その言葉をもらった後、退社の決意をしました。「なんだ11年目の保障はないんだ。11年目には捨てられるんだ」と思ったんですよ。そんな選べない人生なんて嫌だし、将来に保険をかける生き方であれば今日という一日に失礼だなと。もちろん仕事なので大変なことも多いし、他の会社よりも自己管理を強く求める会社なので、それだけ自分のことが好きじゃないと潰しが効かなくなる。大切なのはミスを常にしないことではなくて、ミスから学べる前向きさです。ミスを隠さず仲間と共有して、そのミスを未来に活かしていく。大好きな自分であるからこそ、経験値を高めようと自然に思えるわけです。
それとカフェグルーヴには変わった人間が多いんで、自分が日頃「浮いてるな…」と思う人も気軽にノックしてみてほしいですね。
(2006年11月/カフェグルーヴオフィスにて)



